入社も代表取締役就任も
突然の出来事
―― 岡社長がオカフーズに入社されたのが2003年。それまでの間、大学卒業後は海外に留学されたり、別の会社に就職されたりしていましたが、いずれオカフーズでお父様の後を継がれることも考えていたのでしょうか。
あまり考えていなかったですね。というのも、父とは親子としては非常に良好な関係でしたが、それが仕事となると性格的に合わないような気がしていたので。食べるのに困ったらお世話になるかな……くらいの気持ちでした。また、私個人としても、もともと海外に出たいという願望があり、就職先も商社や旅行会社がいいなと思っていたんです。実際、留学から帰ってきてからは輸入食品を扱う会社で働いたり、さらに中国語を取得するために上海に留学したり。上海ではそのまま日系商社の上海支店で働くことが決まっていたのですが、その矢先に次期後継者とされていた当時の専務取締役が病気のため急逝してしまい、急遽私が戻ることになりました。
―― 次期後継者として戻られたのですか?
そんなことはまったくなく、会社が大変そうだから戻ろうかなって。まずは一社員として入社し、国内の仕入れを担当するところから始め、その後は海外からの原料調達や生産管理、商品のブランディングなど、さまざまな仕事を経験しました。その間に役職も少しずつ上がっていき、専務に就任してからはベトナムの工場の立ち上げや上海の現地法人の販売活動といったことも行っていました。
―― お父様の後を継ぐことを意識されたのはいつ頃だったのでしょうか。
実際に社長に就任する直前まで、いずれ引き継ぐにしても当分先のことだろうと思っていました。私が代表取締役社長に就任したのが2011年8月なのですが、その話が出たのも2011年に入ってからだったんです。それも、当時の副社長が引退するにあたり、『自分が引退する前に岡を社長に就任させたい』と突然言い始めたのがきっかけで。私にとってはもちろん、父にとっても青天の霹靂で、特に父は大反対していました。でも結局、副社長の強い希望に押し切られる形で、私が社長に、父が会長に就任することになりました。